近代日本の文人に島崎藤村がいる。
明治から昭和にかけて活躍した作家・詩人であり、『夜明け前』『若菜集』など、著名な小説や詩集を残している。
その作品を読まれた方も、多いだろう。
彼は綴っている。
「誠実が先づ人を動かす」(「土岐哀果の歌」、『藤村全集第9巻』所収、筑摩書房)
リーダーの皆さん、だれよりも誠実であっていただきたい。小手先の言葉や命令では、人は動かない。
深い慈愛と真心。そして誠実の行動こそが、人々の心を動かすのだ。
また、島崎藤村は「むやみと人を羨むのが、それが恥じですね」と記している(「弱いものでも」、同)。
人を羨んでも何も変わらない。大事なのは、自分が前進することだ。
自分自身の幸福境涯を、一歩ずつ広げていくことだ。
「元を忘れ、奢りに長じたら、おのづから上を恐れず、人を侮り、正しきものの味方から背き去る族も出てくるものである」(「町人蜂谷源十郎の覚書」、『藤村全集第13巻』所収、同)
これも島崎藤村の言葉である。
原点を忘れ、初心を忘れた人間は、やがて傲慢になり、自分を見失っていく。最後は身を滅ぼしてしまうだろう。
学会のため、広布のために師匠に直結して戦う。この根本の「心」がなくなったら、指導者失格だ。どんな戦いにも、勝てるわけがない。
関西が強いのは、常に「師とともに!」との心がみなぎっているからだ。常勝関西の不屈の精神が、学会を支えているともいえるのである。
また島崎藤村は、次の言葉を記し残している。
「後進者のために尽くしたとの意識の如きは一つの高尚なる歓喜ではあるまいか」(「老年」、『藤村全集第9巻』所収、同)
青年は未来だ。
伸びゆく青年の姿ほど、うれしいものはない。
皆さんは、だれよりも後輩を大切にするリーダーであってもらいたい。
方面長協議会での名誉会長のスピーチ㊤
(2007年9月5日聖教新聞掲載)
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